スフィラスれでぃの試着部屋

いろんな「超入門」を、意識的に単純化して書きます。各分野の専門家ではありませんので、情報の運用は必ず自己責任でお願いします。

将棋チャレンジ(がんばらない)

◆将棋チャレンジの概要

私は駒の動かし方しか知らない人間でしたが、周囲で将棋が一時期ブームになっていたので、ちょっとだけ触れてみました。

将棋は完全情報の実力ゲーで、強くなるためには地道な修行以外ないということは重々わかっていましたし、私は努力をする気などさらさらありませんでした。しかし、私自身コミュニケーションツールとしてやれるゲームは多いほど良いと考えていること、世間の平均よりは頭が良いという自信もあり最低限の基礎を覚えれば戦ってる雰囲気ぐらいにはなるのではないかという淡い期待があったこと、こんな「あわよくば」の精神でどれぐらい行けるものなのかを知りたいという好奇心もあったこと、周囲に有識者が多く学ぶならこれ以上の環境はないと思ったこと、等から、「頑張らない」縛りで将棋をプレイしてみたログです。

 

◆戦略:

四間飛車美濃囲いの初動だけを丸暗記し、あとは将棋ウォーズの下位卓で初心者とたくさん対戦しながらパターンを覚える」

将棋に詳しい友人たちに聞いたところ、「型」を一つ覚えるのが最短経路ではないか、とのこと。どの「型」が良いかについても考えていただき、「三間飛車」「中飛車」等の案もありましたが、結果として四間飛車美濃囲いをおすすめしていただきました。当初は言われるままという感じでしたが、結果的に非常に的確なおすすめをいただいたと思っています。

プレイしてみてわかった四間飛車の本企画における優位性は以下の通りです。

・ガン不利対面がない。

・だいたいの戦略に対しテンプレで対応できるので、美濃囲いが組み終わるまでは最悪相手の盤面は見なくて良い。

・積極的に勝ちに行く必要がなく、相手の悪手を咎めれば駒得で勝てる。

・手待ち(自分からすることがない)気味になったときに、美濃囲いを高美濃、銀冠に組み替えていくことで脳死でお茶を濁せる。

 

将棋ウォーズの下位卓(5級前後)は、いきなり飛び込んで勝てるほどの環境ではありませんが、稀にいるガチの初心者にたまに勝利することぐらいはできました。対戦回数を重ねる(~30回)中で、よくやられるやばいパターン等を覚えるとともに、駒の動き方に慣れ、負けても下がらず勝てば一つ級位が上がる8級までは上がることができました。

ぴよ将棋の低ランク等、弱い一人用ソフトと対戦することも試しましたが、そのようなソフトは微妙な手を多く指すが決定的な悪手は差さない傾向にあり、駒組みが終わった時点で手待ちになってしまうことが多くてやめました。

 

◆わかったこと

大きな話

・飛車や角を相手の陣地で維持できるととても強い。逆に相手の飛車や角に切り込まれると駒得云々以上にヤバいので、切り込まれないようにする。

・相手の角の存在を常に頭に入れる。対角線上に角がいるうちは、自分から角道は開けないのが板。

・ヤバそうな縦列(左から3番目が多い)に飛車を応援に回す。

・他の自分の駒に守られており、王以外の他の相手の駒に取られない駒で王手すれば、相手の王様は逃げるしかないので強い。それを続けることができればだいたい詰む。

細かい話

居飛車が速攻の構え(左から3番目の歩の前進)を見せたら、左から5番目の歩を前進させ、角の後ろの銀を右前(左から4番目)に出すことで応戦する。

・右の端歩は突かれたら突き返す。左の端歩は突き返さなくても良い。

・桂馬に2回動かれるとヤバいことがあるので、1回動かれたら2回目動かれるのを防げれば防ぐ。

・桂馬や香車を討ち取ったら、次はそれで銀以上と交換できることを目指す。

・飛車角を敵陣に打ち込むときは、相手の次の一手で詰まないか確認する。

・角が相手の香車をとる動きが敵味方ともに決まれば強い。右側の均衡が崩れるので、端から攻められる。

香車同士の前の歩が交戦直前の時に、香車と歩の間に入りこむのは良くない。歩を突かれて、その駒と香車を交換させられる。

・桂馬はよほど安全な時以外、2回以上動かさない。

大体は調べればわかる話です。日本将棋連盟がいい仕事をしているので、遊戯王のデッキの回し方よりはアフィリエイトによる汚染が少ないです。ただ、将棋の解説は座標が脳内で認識できないととても読むのが難しく苦労しました。2三金とか言われてもどこじゃってなりますよね。なりませんか?

 

◆できたこと・できなかったこと

・できたこと

将棋ウォーズ6級

将棋ウォーズ下位卓で勝率5割

序盤の駒組み

・できなかったこと

積極的に勝つ方法

終盤力の獲得

角交換への対応の習得

藤井システムの運用

決定的な悪手の撲滅

 

すごく強い相手出ない限りこちらが攻勢の受け方をある程度心得ていると相手の攻めに無理が出てくるので、攻めてきた駒を討ち取って駒得をもとに有利な交換を重ね、アド差を広げていく形なら、時間をかければ勝てます。しかし一方で、終盤の効率的な詰めは難しいです。終盤の形は毎局毎局異なるので、馬鹿の一つ覚えで手っ取り早く強くなろうという本企画の対極にあたりますからね。

おそらく終盤力を身に着けるには、詰将棋の勉強が手っ取り早いと思います。が、私は勉強はしたくなかったので、終盤力を身に着けることができませんでした。

角換わりはマジ勘弁。見たことない盤面のオンパレードになります。先手なら2手目で角道塞げば対処可能ですが、後手の場合は相手がその気なら対処法がありません(4番目の歩を先に動かす(通称パックマン)と取られてしまうので)。

藤井システムは、習得が理想らしいですが、基本決まらないよと言われてスキップしました。

決定的な悪手(特に意味もなく飛車角を献上する等)は、駒の動きが頭に入ってきてから減りましたが、今でもたまにはやっちゃうんですよね~。

 

◆おわりに

結論としては、一つ覚えで序盤力を身に着けることで素人の将棋ファンと試合ぽいものをすることは可能でしたが、終盤力は勉強量と経験量がものをいう世界で、一朝一夕には身に付きませんでした。

ご協力くださった皆様、ありがとうございました!